自律神経失調症・うつの根本の原因 – 4つのストレスとは
不眠症、めまい、慢性疲労、消化不良などの原因は自律神経失調症です。
その原因を一言でいうと「ストレス」です。
では、ストレスの原因は何でしょうか?
ストレスの原因を理解して、それを解決すれば自律神経失調症が改善することになります。
多くの方はストレスというと、精神的なストレスのことを思い浮かべると思いますが全部で4つの種類があります。
それらすべてのストレスを考えながら対処しなければなりません。
4つのストレスとは・・・
1.精神的ストレス | 人間関係・仕事・介護・育児など、精神的に「嫌だなぁ」と感じるストレス全てを言います。 自律神経失調症やうつの症状に対しての不安感・恐怖感・絶望感なども精神的ストレスになります。 ※精神的ストレスの対策に関しましては「精神的ストレスへの対策」をご覧下さい。 |
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2.構造的ストレス | 頭蓋骨・背骨・骨盤のゆがみや姿勢の悪さにより脳がストレスを感じることを言います。 肩こりや腰痛もそのままにしておくと、イライラするようになり、それが精神的ストレスにもなります。 ※構造的ストレスの対策に関しましては「構造的ストレスへの対策」をご覧下さい。 |
3.化学的ストレス | 体の中に入ってくるものによるストレスをいいます。 栄養の過不足、薬、化学物質、添加物、たばこ、大気汚染、アルコールなどが含まれます。※化学的ストレスの対策に関しましては「化学的ストレスへの対策」をご覧下さい。 |
4.温度・湿度のストレス | 極度の暑さや寒さ、高すぎる湿度はストレスとなります。 ストレスを多く抱えている方は、温度変化だけでも症状がでる場合があります。※温度・湿度のストレスの対策に関しましては「温度・湿度のストレスへの対策」をご覧下さい。 |
1.精神的ストレスへの対策
休養を正しく取る
人間の体も心も、休めば自然と回復していきます。
それはわかっていても、つい、時間ができたら休もうと思いがちではありませんか。また「今はまだ頑張れる」と休養を後回しにしていませんか。
精神的ストレスをためないためには、まだ頑張れるうちに、休養することを優先順位の1位に考えてスケジュールに入れます。
また自律神経は、あなたが頭の中で考えていることと現実の区別がつきません。
休養中に仕事のことを考えたり、想像してあせったりすると、自律神経が仕事中と同じ反応をして、交感神経が働いて心臓の鼓動が早くなったり、血圧も上昇します。
休養中は、仕事のことや心配事は忘れましょう。
とくに、自律神経失調症やうつ症状が出ているときは、ホラー映画、格闘技、スポーツ観戦は大きな精神的ストレスになる可能性が高いので避けてください。
呼吸で自律神経をコントロール
自律神経は、あなたが意識しなくても、身体の働きをコントロールしてくれる神経です。
一方で思い通りには動いてくれません。
ただ、唯一、呼吸でコントロールすることができます。
精神的なストレスから逃れたいとき、副交感神経を働かせたいときは、深くゆっくりとした腹式呼吸が適しています。
「5秒かけて鼻から息をゆっくり吸ってお腹を膨らませ、5秒かけて口から息をゆっくり吐いてお腹をへこませる」腹式呼吸を、1日に何度も意識的に行ってください。
リズムホルモンでリラックス
精神的ストレスを受けたときに、脳に過度な興奮や不安を与えないためには、脳の中に、セロトニンという脳内ホルモンが出る状態を作ってあげます。
セロトニンはリラックスすると出るホルモンですが、リズムホルモンともいわれ、一定のリズムのある音を聴くことで出やすくなります。
波の音、電車や車の振動音を車内で聴いたり、歩行、ダンス、呼吸で体にリズムを刻むなどしてセロトニンを出やすくすると、うつ気分が排除されます。
セロトニンが出てリラックスすることで副交感神経が優位になれば、入眠効果も高まります。
2.構造的ストレスへの対策
力を抜く方法
自律神経失調症やうつ症状のある人の体は緊張しています。
そのため、いつも体に力が入った状態で、交感神経が過度に優位になっています。
自律神経失調症だと診断されたり、自分で気づいている人は、まず、体の力が抜けていないことを自覚しましょう。
家の中や仕事場の、壁やパソコンの画面の横など、自分が目につくところに「力を抜く」と書いた紙を貼って、意識して力を抜く習慣をつけてください。
無意識に力が抜けるようになると、体の緊張が取れて自律神経が整います。
姿勢を意識する
姿勢が悪いと痛みやしびれの原因になります。
そして姿勢が悪い人の体は呼吸が乱れ、ホルモンバランスが崩れ、筋肉が緊張し、その結果、自律神経が乱れています。
あなたの姿勢が、身体にストレスを与え続けているかもしれません。
悪い姿勢を自覚することから始めましょう。
その上で、普段から、足のくるぶしの前、骨盤の真ん中、肩の真ん中、耳が一直線になる良い姿勢をとるようにしてください。
また、肩や背中に力を入れないで立つ、椅子に座るとき左右のお尻に半分ずつ体重がかかるようにして、均等な姿勢をとるように努力してください。
空腹感を大切に
自律神経失調症やうつの人が、元気をつけようと無理して食べるのは逆効果です。
繰り返していると、胃腸を動かすことでエネルギーが消耗し、自律神経も休まりません。
自律神経を休めるためには、「食べたくないときは食 べない」「お腹がすくまで食べない」スタンスがとても大切です。
こうして食事に対して体の欲求を優先させると、ストレスで胃腸の調子を崩すこともありません。
3.化学的ストレスへの対策
ストレスにならない食品の摂り方
あなたが毎日食べている物や好きな食べ物が、化学的ストレスになることもあります。
なかでも、油、カフェイン、唐辛子、甘いものの摂り方に気をつけるのがポイントです。
油は、炎症反応を起こして自律神経の交感神経を過度に働かせてしまう、オメガ6に属するリノール酸を摂り過ぎないようにしましょう。
リノール酸は、牛肉や豚肉、サラダ油に多く含まれます。
代わりに、血管拡張、血流増進、神経細胞の機能の正常化など自律神経によい働きかけをする、オメガ3という油に属するαリノレン酸を摂るようにしましょう。
αリノレン酸は、青魚や亜麻仁油に多く含まれます。
カフェインは、自律神経の交感神経を過度に働かせて自律神経のバランスを崩し、不眠症、動悸、頭痛などを引き起こします。
また、カフェインを摂りすぎると、前出の4つの体力のうち、運動力だけを極端に高めてエネルギーを無駄に使ってしまいます。
その結果、免疫力、治癒力、調整力など、他のエネルギーを使えなくします。
うつ症状が強い人ほど、コーヒー、緑茶、紅茶、ドリンク剤など、カフェインの多い食品を控えて、これ以上、エネルギー不足を進行させないことが大切です。
トウガラシが体に入ると、興奮する脳内ホルモンのノルアドレナリンが分泌されて交感神経が優位になり、心拍数が上昇するなど、体がストレスを感じたときと同じ反応をします。
何にでもトウガラシをかけたり、タバスコや七味を料理に大量にかけたり、キムチを食べ過ぎるといった”嗜好”がある人は、化学的ストレスになるので改めましょう。
ケーキや菓子パンなど甘いものを空腹時に食べると血糖値が急上昇し、自律神経の働きにも負担がかかります。
自律神経のことを考えたら、空腹時に甘いものを食べないようにします。
どうしても、甘いものが食べたいときは食後など満腹時に食べるようにして、自律神経の負担を減らしてください。
4.湿度・温度のストレスへの対策
体を冷やさない
体を冷やすと自然治癒力を高める副交感神経が働かなくなって、心身が優れなくなります。
また、冷えて体温が下がると血液の流れが悪くなり、内臓が冷えて働きも悪くなります。
実際に、自律神経失調症やうつ症状のある人は手足が冷たく、内臓の調子を崩しやすく、低体温であることが多いのです。
これ以上、体を冷やさないようにして、副交感神経をもっと働かせてあげましょう。
常に冷たい食べ物や飲み物を摂らない、シャワーではなく湯船に浸かる、夏は冷房の設定温度を上げる、冬は薄着をしないなど、衣食住の悪習慣を調整してください。
あと、使えるものはすべて使って下さい。自律神経と首との関係から、冷やさないためにもマフラーは必需品です。それ以外にも、ズボン下のタイツ・手袋・ホカロン・湯たんぽと探すとたくさんありますよ。