自律神経バランスが良くない方の腹式呼吸
専用の腹式呼吸があります
知識として理解した上で、「意識」して行うと効果が数段アップしますのでお伝えします。
世間で一般的に言われている腹式呼吸は、「へその下を意識して、下腹を膨らませる」等など、かと思います。
しかし、自律神経のバランスを崩している方にやっていただきたい腹式呼吸は、「意識」する場所と「刺激」が入って欲しい箇所が違うのです。
そもそも自律神経失調やうつの方は、背中は固く「横隔膜」の上下運動が弱いため、呼吸は浅く酸素が入ってきません。
ですから世間一般の腹式呼吸はほぼできないと言って良いでしょう。
自律神経から見た呼吸の知識
ここで、「自律神経」としての一般的な呼吸の理解をしましょう。
呼吸は、自律神経支配の中で唯一、「意識的」に神経を働かすことが出来る行動です。
その為、意識的に呼吸をコントロールすることによって、自律神経を自分で支配することが可能なのです。
何故ならば、意識的に呼吸をするということは、体に備わったフィードバック機構を活用することになるからです。
その呼吸をすることで、その情報は視床下部・脳幹・小脳などに伝達され、逆に自律神経が呼吸に合わせるように自己調整されるのです。
「胸式呼吸」は緊張の交感神経支配であり、腹式呼吸はリラックスの副交感神経支配です。
また、一回の呼吸でも、吸う方が交感神経支配であり、吐くほうが副交感神経支配なのです。
ですから、吸うよりも吐くほうを長くした方が副交感神経が働きやすくなると言われています。
呼吸による横隔膜の運動の大事
そして、一番大事で動いて欲しい「横隔膜」。膜と書いてありますが筋肉です。
マラソンが得意な人と、短距離走が得意な人がいますが、これは、持久力の赤い筋肉と、瞬発力の白い筋肉の配分が、人によって違うからです。
一般に、横隔膜の筋肉の配分は、持久力筋は55%、瞬発力筋は45%ぐらいと言われています。
横隔膜は、胸部と腹部を仕切るドーム状ですが、持久力筋は腰の方にまわっている方に多く分布しているのです。
つまり、早い胸式呼吸は横隔膜の前側で行い、ゆっくりの腹式呼吸は横隔膜の後ろ側、腰部側で行うように体は出来ているのです。
やり方はいたって簡単!
前置きは長くなりましたが、やり方は「姿勢」の問題だけです。
自分に合った適度な高さの所に座り、両肘をももの上に乗せ、前傾の姿勢をとります。
たったこれだけです。
立った姿勢とやり比べてみてください。
入ってくる酸素の量が断然違うことが体感できるはずです。
そして、一番の大事は、腰の辺りへの「意識」であり、体感として腰の部分が膨らむ感じがわかるかと思います。
自律神経失調やうつの方は、呼吸が乱れている人が多く、そのままでは非常に症状が改善しにくくなります。
とても重要ですので頑張って取り組んでみてください。