副腎とビタミンC
「ビタミンCはまさにウルトラC!」
純粋な肉体疲労は睡眠によって回復します!
しかし、ストレスによる心と体の疲労は睡眠だけでは不十分です。
そこで馴染み深い栄養素、ビタミンC!
余りにも有名なビタミンで、意識して摂ることはなかったかと思います。
巷では、栄養素に関するたくさんの情報やサプリメントがでまわっていますが、ここで知っておいていただきたいことがあります。
ビタミンCは栄養素のリーダー的存在です。
ビタミンCを置き去りに、他の栄養素を一生懸命摂取してもなかなか効果が見込めません。
ビタミンCを主体とし充実しているならば、あとは何を摂取しても相乗効果が期待できるというものです。
ただ、取り扱いが若干難しいため、効率よく摂取するために補足してお知らせします。
副腎はたくさんのビタミンCがないと困ります
組織のビタミン濃度
(例)普通の食事をしている成人の場合
組織 | ビタミンC濃度(mg/100g) |
---|---|
脳下垂体 | 40~50 |
副腎 | 30~40 |
水晶体 | 25~31 |
脳 | 13~15 |
肝臓 | 10~16 |
すい臓 | 10~15 |
脾臓 | 10~15 |
腎臓 | 5~15 |
心筋 | 5~15 |
肺 | 7 |
骨格筋 | 3~4 |
睾丸 | 3 |
甲状腺 | 2 |
各器官のビタミンCの濃度は、脳下垂体・副腎で最も高く、次いで水晶体(眼球)・脾臓などで高いとされています。
脳下垂体と副腎の関係は、相対的副腎機能低下症のページの「副腎の特徴と重要性」のところで、HPA軸【視床下部→下垂体→副腎】の解説をしています。
このように、ビタミンCといえば美しい肌を保つ栄養素としてよく知られていますが、肌に限らず体のあらゆる部分で必要とされているのです。
ストレスと戦うための材料が、ビタミンCです!
心と体にストレスが加わると、副腎のビタミンCの濃度は急激に低下することがわかっています。
ストレスに抵抗するためのホルモンを作るのにビタミンCが使われる為です。
ストレスに対抗するためにはエネルギーが必要です。
その為、副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)がタンパク質を分解し、ブドウ糖を合成してエネルギーを作り出し、ほかにも血圧上昇や高血糖とすることでストレスによるショックを和らげ、立ち向かう身体の状態をつくっています。
ビタミンCは、抗ストレスホルモンを作る上で不可欠なビタミンなので、副腎には普段から大量のビタミンCが貯えられています。
しかし、強いストレスが長く続いてしまうと、ストックされたビタミンCは底をつき、やがて副腎が疲弊してホルモンを作ることができなくなってしまいます。
当然、ビタミンC自体の摂取不足によっても十分に作られませんから、ストレスに負けてしまうことになります。
ビタミンCにも欠点があります
ひとつは、「容易に壊れやすいビタミンである」という事。
こちらについては後ほど詳しく説明します。
もう一つは、「野菜自体のビタミンが減っている」ということです。
日本では、ビタミンC欠乏症自体は姿を消しましたが、「潜在性ビタミンC欠乏症」とも言える半病人の方が増えています。
この状態が続くと、めまい・貧血・無気力になりやすく、中高年の場合には風邪などの感染症に罹りやすくなり、老化も早まります。
私たちは日頃から、野菜や果物からビタミンCを摂ったつもりになっています。
しかし、意識して摂っている方の中にも「潜在的欠乏症」の方が見つかっているのは何故でしょう?
ストレスが多すぎてビタミンCを使い切っていることもありますが、野菜や果物に含まれるビタミンC含量が減少している事が挙げられます。
温室で促成栽培されている野菜類は、露地栽培のような厳しい条件で育成されていないので、過酷な環境と戦う手段としてのビタミンCを大量に作る必要がなくなっているのです。
また消費者に届けるためには、色や形の観点から、熟す前の早い段階での収穫や、長期間に渡る輸送や保存期間で、満足のいくビタミンCの状態には厳しいものがあるのです。
ビタミンCは知ることで対処できます!
「ビタミンCを最大限活かしましょう!」
ビタミンCの一日の推奨量は成人男女ともに100mgです。
ストレス・喫煙・大気汚染・激しいスポーツ・大量の薬・加工食品・農薬や食品添加物・電磁波・アルコールなどに心当たりのある方は、500mgぐらいまでを目安に、多少多い分には問題はありませんので心がけて摂取してください。
3度の食事に入れる
ビタミンCは水溶性のビタミンで、体内で蓄えておくことができないので、使い切れなかった分は尿と一緒に排出されていまいます。
そのため、一度に大量のビタミンCを摂取しても、過剰分は2、3時間ほどで排出してしまいます。
時間を空けて何回かに分けて摂取するほうが効果的なので、やはり毎度の食事に組み入れていくのが賢明です。
就寝前もオススメ
睡眠中は、尿をつくる腎臓の働きや血流が落ちるので、ビタミンCの排泄量も低下します。
また、就寝中の成長ホルモンとも関連するので、寝る前にサプリメントなどを摂ると効果が期待できます。
少しでもお腹に入った後から摂取
空腹時と満腹時では吸収速度と吸収量は異なります。
満腹時の方が吸収速度は遅いため、吸収しながらすぐに消費に回ってしまった分を、余計に吸収することができます。
1.6倍の吸収量になります。
水に溶けだしやすい
ビタミンCは水溶性なので、水に溶け出しやすい性質があります。
そのため、野菜などを水で洗う際は手際よくさっと洗いましょう。
長く水に浸しているとどんどん溶け出してしまいます。
煮物料理も汁にビタミンCがたくさん溶け出ているので、汁も一緒に頂くことで無駄なく摂取できるかと思います。
酸化の前に!
野菜などは長期保存に向いていません。
ビタミンCは酸素や酸化物あるいは過酸化物質を見つけるとすぐさま反応してしまうため、含量がどんどん減っていきます。
新鮮なうちに頂くことを心がけましょう。
熱に弱いが芋類は大丈夫!
ビタミンCは熱に弱いのです。
しかし煮込み料理よりも、油でさっと炒める料理の方がビタミンCの損失は少なく済みます。
また、ジャガイモやさつまいもは、中に含まれるでんぷんがビタミンCを保護して熱による損失を抑えてくれますので、熱による調理に強いビタミン供給源です。
ビタミンCを多く含む食品(mg/100g)
野菜類
赤ピーマン | 170mg |
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めキャベツ | 160mg |
黄ピーマン | 150mg |
パセリ | 120mg |
青ピーマン | 76mg |
ブロッコリー(ゆで) | 54mg |
キャベツ | 41mg |
ミニトマト | 32mg |
かぼちゃ(ゆで) | 32mg |
小松菜(ゆで) | 21mg |
果物
アセロラ | 1700mg |
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ゆず | 150mg |
レモン | 100mg |
柿 | 70mg |
キウイ | 69mg |
いちご | 62mg |
はっさく | 40mg |
グレープフルーツ | 36mg |
みかん | 35mg |
パイナップル | 27mg |
芋類
じゃがいも | 35mg |
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さつまいも | 29mg |
やまいも | 15mg |
藻類
焼きのり | 210mg |
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味付けのり | 200mg |
ほしのり | 160mg |
青のり | 40mg |
効率的にビタミンCを摂取するために役立ててください!